ほりぴーの時間旅行

２０１９年夏の中国東北地方旧満州の旅その１

２０１９年８月１０日～１７日

中国にはこれまでに多くの地域に行ってますが、
東北部にいくつも行きたい所があったので、
夏休みを利用して一気に周遊する計画を立ててみました。
この時のテーマは旧満州の周遊とロシア、モンゴル、北朝鮮の国境を巡る旅。
この旅の前半の大連では台風が接近してきて雨足が強くなって街が水没。
その台風が遼東半島に上陸する前には内モンゴル自治区へ空路で脱出して、
幸いにもこの地域は毎日晴天でした。
夏でも日が暮れると長袖が必要なくらいまで気温が下がるので、
やはり訪れるならば夏が正解。
満州里には大連から空路で移動する予定だったのが、
出発前日にフライトキャンセルになり、
急遽ネットで海拉爾(ハイラル)便の予約を取り、
満州里にはバスで移動するルートに変更。
普段の一人旅ならば海外旅行の時にモバイルWiFiは借りないのですが、
この時には気まぐれで借りておいたのが結果的に大正解。
初めの予定では満州里からの帰りに呼倫貝爾(フルンボイル)大草原を通って
海拉爾(ハイラル)までバス移動をする予定でしたが、
急な予定変更で海拉爾(ハイラル)～満州里間の大草原をバスで往復することに。
でも、モンゴルや中国の大草原の中でも、特に綺麗な景色だと言われる
呼倫貝爾(フルンボイル)大草原は飽きることがありませんでした。
そして大草原の果てにギラギラした満州里の街があることに驚き。
呼倫貝爾(フルンボイル)大草原の蒙古村に泊まった日は満月で、
西の地平線に沈む夕日と東から昇る満月を同時に見られたのは、
アイスランド以来の貴重な体験です。
この日はペルセウス流星群とも重なったのですが、肉眼で見えていたのに、
写真を引っ張り出してからは一枚も写らなかったのは少し残念。。。
北朝鮮との国境の街の丹東では鴨緑江を挟んで、
発展が続く中国と静かな小さな町の北朝鮮のコントラストが強く現れていました。
そして最後に訪れた瀋陽では、片道１時間の郊外の鉄道陳列館へ。
ここには満州国時代に運行されていた高速ＳＬあじあ号が保管されていますが、
ちょうどこの年の５月から外国人にも開放されたのです。
この旅で巡った大草原や街を８０年も前に走っていたと思うと本当に感動です。
しかし、鉄道陳列館を訪れた後に、この旅最大の試練に見舞われました。
夕刻になって天気の急変によって瀋陽の街一帯が水没してしまい、
迂回を繰り返したバスは３時間後の夜９時に出発点の街に引き返すという悲劇。
翌朝に帰国予定なのに、たくさんのタクシーに断られ、
スマホの電池も残り僅かで、いよいよ手詰まりかと諦めかけた時に、
ようやく１台のタクシーが助けてくれて事態は一気に好転。
たくさんの車が水没して修羅場の様になっている市街地を抜けて、
タクシーは故障することなく、ほりぴーを瀋陽の中心部に送り届けてくれました。
このタクシーの運転手さんは怖そうな顔をしていたけれど、とても優しい人で、
車内では自分のパンを分けてくれたり、スマホの充電をしてくれたり、
初めて会った日本人に対してたくさんの親切をくれました。
この人は本当に神様に思えましたよ。
この様に中国のスケールと優しさと水難をたっぷりと味わう大冒険でしたが、
この旅で巡った地域は戦前には満州国として日本が統治していた場所。
もしも日本が戦争をしなかったら、今頃はどんな社会になっていたのでしょうね。